続々・どうでもよくないおはなし

この世界には、自ら声をあげることができない人々がたくさんいる。

内戦があり、テロがあり、自然災害があり、圧政があり、独裁があり、
貧困があり、差別があり、隷属があり、階級があり、格差があり、
虐待があり、いじめがある。

力のある人々は、力のない人々から何もかもを奪っていく。

力のない人々は、力のある人々から何もかもを奪われたあと、

最後に残った“怒り”というかけがえのない宝物さえも剥奪されてしまう。

わたしは“怒り”の対極にあるものは“諦め”だと思う。


“怒り”は弱い人々を猛々しい猛獣のような姿に変えてしまう。

少なくとも、弱い人々の中の想像力は、弱い人々に鋭い爪を与え、雄々しきたてがみをまとわせる。

実際にその人が強い人々を討つことができるのか、そんなことは誰にもわからない。

ただ、“怒り”を持った人々は心の中に猛獣を飼っている!


しかし、本当に狡猾な、恐ろしい企みを持った人々は、

そんな“心の中の猛獣”の牙を抜くやり方を知っている。


抵抗しても無駄だよ

怒るだけあなたの損になるよ

最後にはあなたのところに返ってくるんだよ


彼らはこのような言葉にならない言葉をもって、

弱い人々から最後の希望すらも奪い取ってしまう。

“怒り”という灯火を奪い去ってしまう。

・・・