労働とは

労働とはおしなべて言うとどういうことだろうか、というよりも、人様から金をもらうということはどういうことだろうかという事を一時期よく考えていました。
 僕は特に才覚も粘り強さもないので誰でも思いつくようなことしか書けないのですか、働くということは要するに「他人の欲望に仕える」ということだろうと自分の中で漠然と結論を出していました。どんな仕事でも需要といいますか、「これをやってくれるならいくらいくら出してもいいよ」と言ってくれる人がいて成り立つわけで、どんな大偉業だろうとそれを必要としている人がいないのであればそれは「労働」にはなり得ないのです。

 働くことは時にあまりにも美しく称え上げられます。労働そのものを美徳として称揚することは、前述したような構図の中で労働というものをとらえていくとき、少々作為的な、というかわざとらしい響きを帯び始めます。人が人に仕えるということは本来的には健全なことではないはずなのです。

 労働とは単なる隷属でしかないのか。この件についてはもっと掘り下げて考えていきたいです。